Ryo5smileの技術ブログ

学んだこと

【11月4週目】プロダクト・レッド・グロース【1/2】

PLG プロダクト・レッド・グロース「セールスがプロダクトを売る時代」から「プロダクトでプロダクトを売る時代」へ

前回の続きです。前回は「プロダクト主導で新規ユーザーを獲得する企業が伸びているよ!」って話を押さえましたので、今回は最後に「正しい戦略を選択するためのフレームワーク」について見ていきましょう。フリーミアムとフリートライアルの選択を間違うと、成長力が弱くなるどころか利益も減ってしまう可能性があるので、正しく見極めて戦略を立てていこうというのが本書の肝であります。というわけで著者のウェス・ブッシュさんが考案した「MOATフレームワーク」を見ていきましょう!

最適な戦略を選択するためのMOATフレームワーク

M:マーケット戦略

自社の戦略はドミナント型戦略?それともディスラプティブ型戦略?または差別化型戦略か?

フリーミアムもフリートライアルもそれぞれのマーケット戦略によって相性があるので、今のマーケット戦略にマッチしたものを選んでいきましょう。

ドミナント戦略

ドミナント型戦略は、競合他社と比較して、サービスのレベルが高く、かつ安い価格で提供できる場合に最適な戦略です。ドミナント型戦略では、フリーミアム、フリートライアルいずれも、伝統的なセールスモデルと比べると効果があります。

差別化戦略

差別化型戦略では、競合他社よりも優れた特定の機能を、高い価格設定で提供することが求められます。ユーザーを問わない画一的なプロダクトとはなりません。差別化型戦略は、フリートライアルやデモとの相性が良いんですが、その市場規模の限界とプロダクトの複雑性から、フリーミアムモデルだとうまくいかない場合が多いです。

ディスラプティブ戦略

ディスラプティブ型戦略は、特定の市場では、既存のサービスが過剰だと感じている顧客を対象とされます。ディスラプティブ型戦略にはフリーミアムモデルが適しています。価格を低く抑えることで、既存ソリューションを使っている見込み顧客を惹きつけられます。

ということで、ざっとマーケット戦略との相性をまとめてみるとこんな感じですね。

フリーミアム フリートライアル
ドミナント戦略 ○ 
差別化戦略 ×
ディスラプティブ戦略 ×

O:オーシャン状況

自社のビジネスはレッド・オーシャンか、ブルー・オーシャンか?

ブルー・オーシャン

ビジネスがブルー・オーシャンにあり、新たなニーズを生み出しているなら、プロダクトを理解してもらうまで時間を要するので、セールスやマーケティング主導型のGTM戦略を取り入れる企業がほとんどです。

レッド・オーシャン

レッド・オーシャンでは、見込み顧客はプロダクトの活用方法・価値を理解しているので、PLGモデルが優位性を持ちます。

A:オーディエンス

自社のマーケティング戦略は、トップダウン型か、ボトムアップ型か?

プロダクト価格は以前と比べかなり安価になり、マネジメント層がすべてのプロダクトの購買判断を下すかわりに、現場の従業員が同等の意思決定権を持つようになりました。ボトムアップ型の販売戦略においては、導入の早さとプロダクトのシンプルさが求められます。この場合、フリートライアルかフリーミアムモデルが機能する場合が多いです。

T:タイム・トゥ・バリュー

自社のプロダクトは、どれくらい早くユーザーにプロダクト価値を示すことができるか?

プロダクトの価値を素早くユーザーに訴求できないのであれば、PLG戦略は適しません。

まとめ

ここまで、フリーミアムかフリートライアルかを見極める4つの判断要素を見てきましたが、個人的にこのMOATの中で特に気になったのが最後のTです。いろんなサービスが溢れている中でユーザーは価値の高いと思ったものを使いたいわけですが、使い始めて価値を感じるまで長くは待ってはくれません。そのためいかに早くそのサービスの価値を感じてもらうかが肝心であり、他の要素が優れていてもこのタイム・トゥー・バリューがなければ「もっと使いたい!」と思ってくれなくなりトライアルで解約といったケースが増えると考えています。

このプロダクトの最大の価値はなんなのか?その価値を最も早く顧客に感じてもらえるか?といった問いを持ち続けて実装していくことが、PLGを行う上で重要だと考えています。